幸せになるお金とのつき合い方
「今あるお金を減らしたくない」「お金がたくさんあったらいいな」「お金をもっと増やしたい」と思う人は多いと思います。では、どのようにしたらお金は守れるのか?増やせるのか?を考えてみましょう。
1.お金を増やす方法は3つ
(1)収入を増やす…努力や工夫で増やすことは可能ですが簡単ではありません
(2)支出を見直す…地味だけれど確実に効果あり
1)自動的に引き落とされる固定費(定期的に一定にかかる費用)の見直しが効果的
固定費とは、住居費、光熱費、保険料、通信費、自動車関係費、教育費などです。
~見直しの例~
【通信費】・・・安いプランに変更、オプションの見直し
【生命保険料】・・・家族の状況が変わったら見直す
2)先取貯蓄で自動的にお金が貯まる仕組みを作る
給与天引きや口座引き落としなどで、期間を決めて積み立て貯蓄など計画的に行いましょう
収入-支出=残ったら貯蓄 ではなく 収入-貯蓄=支出できるお金
(3)運用して増やす…元本割れする可能性があるので、金融商品について学び余裕資金で行う
貯蓄は、将来どのようなことにいくらお金がかかるかを考えて準備します。家族で旅行に行きたい・家を買いたい・子どもの教育費が必要・老後のお金の準備など様々な場面で大きなお金が必要な場合があります。必要に応じて確実に貯めることを考えていきましょう。
2.守り増やすために金融商品の特徴を知ろう
主な金融商品の特徴
金融商品 | 特徴 |
預貯金 | 銀行1行あたり「元本1千万円とその利息」が預金保険で保護 元本保証 |
債券 | 国や企業が発行する借用証書 |
株式 | 企業が発行する証券、購入すると株主になれる |
投資信託 | 複数の投資家から集めた資金を専門家が管理・運用し、 分散投資によって得られた利益を分配、還元する仕組み 元本保証なし |
3.投資をするときは
(1)無理のない金額で<長期・積み立て・分散>投資
長期投資 | 長期にわたって金融商品を保有する |
積み立て投資 | 自分が決めたタイミング・金額で定期的に購入する |
分散投資 | 投資先や購入時期を分散させリスクを減らす |
(2)非課税メリットのある商品を利用する
掛け金が所得控除の対象になったり、運用期間中の利益が非課税になる金融商品があります。
1)iDeco…公的年金に上乗せして給付を受けられる制度
メリット(税金の優遇) | 注意点 |
掛け金は全額所得控除 | 給与所得のない人にはメリットがない |
運用期間中の利益が非課税 | 管理手数料がかかる |
受け取りは一時金でも年金でも 控除あり | 受け取る年金は運用成績によって変わる60歳まで引き出せない |
iDecoのイメージ図
2)NISA…小額投資非課税制度
メリット | 注意点 |
運用期間中の利益が非課税 | 運用結果によって元本を下回ることもある |
掛け金の中断・解約は自由 | 口座は一人1口座 |
現行制度
2024年からのNISA
投資にはリスク(不確実性)が付きものです。損失が出た場合はどのくらいなら耐えられるのでしょう。生活に支障が生じない、不安を感じない自分のリスク許容度を確認しておきましょう。
4.夢を実現するために
紹介したようにお金を守り、増やす方法はいろいろあります。どの金融商品を利用するのか、どのようなバランスにするのかは自分で決めなければいけません。
まず現在のくらしにどれだけかかるのか、年間どのくらい貯蓄ができるのか、いつ・いくら必要かを把握しましょう。必要なお金は、確実な方法で準備します。足りないときは、さらに家計を見直したり方針転換が必要な場合もあります。社会や経済状況について知恵を身につけたり、専門家の意見を聞くことはできますが、決断し実行するのはあなたです。
5.幸せになるお金とのつき合い方
人生の中でどうしても必要なお金(かかるお金)と自分の意志で使うお金(かけるお金)があります。わが家の収入の範囲でどのようにライフプランを実現していくかを考え、計画的に準備できると安心してお金を使うことができます。また、自分に役立つ経験にお金を使ったり、背伸びをせず心地よくくらすことにも重点を置いて生活すると、心が柔軟になり困難を乗り越える力になります。
お金がたくさんあれば幸せというわけではありません。幸福なくらしとはお金と上手につき合って、様々な困難に対処し安心してくらすことではないでしょうか。自分のくらしと向き合い、将来を見据えて準備し、心にゆとりをもってお金を回していくことができると、お金がない⁉どうしよう⁉と不安を感じない生活を実現することができます。「守る」「増やす」だけでなくちょっと視点を変えて、お金を上手に「使う」。幸せになるお金とのつき合い方を考えていきましょう。