確認していますか、「給与明細書」
こんにちは、新しい年度のくらしはどうですか。将来に向けての計画は順調に進んでいますか。具体的に計画をたててみると、様々なイベントに大きな資金が必要なことがわかります。その資金を準備するのはお給料からが大きいですね。
お給料が振り込まれるときに渡されるのが給与明細書です。今はデータで渡されることが多いです。所得税法で雇用側は給与明細書を渡す義務があります。どんなことが記載されているのか、確認するのはとても大切です。今回は給与明細書の見方についてお伝えします。
給与明細書は大きく次の三つ「勤怠」「支給」「控除」に別れています。
◆勤怠の主な項目例
「勤怠」どのくらい働いたかの記録
【出勤日数】出勤した日数
【欠勤日数】欠勤した日数
【有給消化日数】有給休暇を取得した日数
【残業時間】残業下時間
【遅刻回数】遅刻した回数
【早退回数】早退した回数
【労働時間】給与集計期間の労働時間
残業時間は労働基準法で割り増し賃金が決まっています。滅多にないのですが間違っていることもあります。問題のある働き方をしてしまっているかもしれません。自分の出社時間・退社時間のメモを取っておき、勤怠の記録と合っているか確かめましょう。
◆支給の主な項目例
「支給」 会社から支払われる項目と金額
【基本給】年齢や学歴などによってあらかじめ決められている給与のベースになる部分
【能力給】労働に対する能力に応じて支払われる
【各種手当て】基本給以外に支払われる賃金。通勤手当、時間外手当、家族手当、
住宅手当などの様々な種類がある
【各種補助】食事代や研修費などの補助
これが支給額でわが家の収入になります。総支給額には、全項目を合計した金額が記載されます。
◆控除の主な項目例
「控除」 支給から天引きされているもの
■税金■
【所得税】
・国に納め財政の基本となる ・個人の事情を反映した所得控除等を受け、所得額に応じて税率がきまっている ・令和4年度の個人所得税は国の予算の3割弱を占める
【住民税】
・前年の収入への課税 ・前年の収入が100万円以上の人が納める ・住んでいる自治体に納め、公共施設、上下水道、ごみ処理、消防・救急、学校教育といった自治体の提供する身近な行政サービスの運営に充てられる
■社会保険料■
【厚生年金】
・高齢になった時の経済的保障(老齢年金) ・家計を担う人が亡くなったときの家族への経済的保障(遺族年金) ・障がいを負ったときの経済的保障 (障害年金)
【健康保険】
・公的な医療保険 ・病気やケガ・出産などの時に給付を受けられる(自己負担は原則3割) ・医療費が高額になったとき高額療養費制度から給付がある
【介護保険】
・40才から加入 ・高齢になり介護が必要になったときに給付を受けられる
【雇用保険】
・失業したときに生活の安定のために基本手当が給付される ・能力の向上を目的とした職業訓練給付金をはじめ求職活動の促進と援助のための様々な保障がある ・育児休業給付・介護休業給付も雇用保険からの給付
■その他■
・労働組合費、互助会費、グループ保険料など
所得税は会社員の場合、お給料から天引きされていますが、
「収入」全てに税金がかかるわけではありません。
収入を得るのにかかった経費を収入から差し引きます。
会社員の必要経費は給与所得控除という形になり、
収入金額で決まっています。
残った給与所得から社会保険料控除などの所得控除を
引いたものが課税所得です。
課税所得の金額に所得に応じた税率で税金がかけられます。
税率は所得の低い人は軽く、高い人は重くなるように設定されています。
社会保険とは公的な保険で加入が義務づけられていて、保険料を負担することで最低限の保障を確保できる社会保障の一種です。
総支給額から総控除額を引いたものがいわゆる手取り額で、使い道を自分で決められる金額になります。手取り額だけではなく、わが家の収入がどのくらいで、天引きされているものは何のために、いくらなのか把握しておくと良いですね。
将来の夢に向けての資金計画だけではなく、万一の時にどのような公的保障がどのくらい有るかを知る事でより具体的なマネープランが可能になります。給与明細書はライフプランの大切な基本データですね。