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【CO・OP共済】こんにちはLPAです。『「受援力(じゅえんりょく)」~助けてと言える力~』

「受援力(じゅえんりょく)」  ~助けてと言える力~

 困った時に、周りに助けを求められますか?
などと考えてしまい、一人で抱え込んでしまうことはありませんか。
今回は、そのような状況から抜け出すために必要な「受援力」についてご紹介します。

1.受援力(じゅえんりょく)とは?

 「困ったときに助けを求めることができる力」「支援を上手く受け入れる力」のことを言います。聞きなれない言葉かもしれません。
 2010年に内閣府が出した「防災ボランティア活動を上手く受け入れるための知恵」などをまとめたパンフレットの中で用いられた言葉です。
 災害の多い日本では各地でボランティアの支援力とともに、被災地の受援力(=受入れ態勢)が欠かせないので受援力を高めようということが言われてきました。この受援力の向上を目指すことで、ボランティアの力がより引き出され、被災地の迅速な復興に役立てられてきました。
 このパンフレットには、『ボランティアをする人は困っている人を手助けしたい、人を支えたり、人の役に立ちたいと思っている人たちです。』と、遠慮することなくお互いのために助け合いをしましょうとされています。
 このように受援力という言葉は、初めは災害時などにボランティアを地域で受け入れる能力のことを指しましたが、最近では災害時以外の社会生活の中でも「支援を受ける力」として広く使われるようになってきました。

2.「助けて」と言いにくいのはなぜ?

 文化的な理由

・東日本大震災の時に世界を感動させたというニュースの一つに、救助された人が「自分は大丈夫です。ほかの人を助けてください。」と災害時も自分を犠牲にして周りのことを気に掛ける日本人の美徳!と取り上げられました。このような日本人の謙遜や控えめな態度、摩擦を避けたがる、周りに迷惑を掛けないなどの文化の特徴、風習が「助けて」と言いにくいことと関係しているのかもしれません。 ・日本人には「困りごとは自分で解決するべき」「他人に迷惑を掛けない」「自己責任である」などの意識がよく見られます。人によっても「他人に弱みを見せてはいけない」「自分だけでなんとかできるはず」「人の世話にはなりたくない」のような過信やプライドもあるかもしれません。 自分に厳しくすることは他人にも厳しくすることになってしまいます。

 社会状況

・現在、少子高齢化や孤独な子育て、貧困、不況、過酷な労働環境、パワハラ、セクハラ、コロナ感染の長期化など問題が多く、重なってもいます。
・「母親はこうあるべき」「親なんだから家族で介護するのは当たり前」「男は働いて家族を支える」「家族は互いに助け合わなくてはいけない」等の言論があるため、家庭内のことは外に相談できないと思い込んでしまい、孤立する人や困っていても相談できない人が出ています。

 システムの問題

・日本の福祉制度は申請主義のために、助けてもらう制度があってもその存在や申請方法を知らい、などのシステムも関係しているかもしれません。
・自分の困っていることを窓口で上手く伝えられるか不安、という人もいるでしょう。

 21世紀になってから、「自己責任」という言葉をよく聞きます。自分ではどうしようもないことも「自己責任だから・・・」と封じ込めるような風潮があります。「自己責任」だと思えば、助けを求められずに孤立していきます。今、困っているのは、あなたの責任ではありません。「困っているときはお互い様」という言葉を思い出してみましょう。
「家族」は社会の最小単位です。家族の問題は社会の問題でもあるのです。困ったときは外に助けを求めましょう。

3.受援力を使ってみましょう

 人に助けを求めることは大切な生活のスキルです。人に助けを求める力=受援力は立派なコミュニケーション能力です。自分だけではなく、みんなが健やかに生活していくには受援力は必要です。
 みんなでお互いに助け合うことで、自分のイライラが少なく、余裕をもって優しくなれたら嬉しいことです。
 まじめで頑張り屋ほど多くを自分で背負いがちです。忙しい毎日を過ごしているとそれが普通に思えてしまいます。少し立ち止まって自分は困ったとき周りに「助けて」と言うことができそうかを考えてみましょう。

〇今の自分が最も望んでいることは何だろうと考えます。
〇丁寧な言葉で頼みます。相手の都合を聞き、最初に笑顔で感謝の言葉を伝えましょう。
〇頼みたいことはストレートに、前置きや言い訳はいりません。「すみません」よりは「ありがとうございます」「助かります」が相手に伝わりやすい感謝の言葉です。
〇自分の気持ちを言葉にしましょう。
「私は~してもらってとても助かった」等のように「私は~と思う」のI(私)メッセージのほうが「あなたは~だ」というYOU(あなた)メッセージよりも、相手に伝わりやすいです。
〇何事も前向きに考えます。断られた時もネガティブなことを考えたり言葉にしないように心がけましょう。「言いにくいことを言ってくれてありがとう」と伝えましょう。
〇知人に頼むのが苦手な場合は、支援団体があるか探してみましょう。市町村窓口や社会福祉協議会など公的支援もあります。相談や申請に付き添ってくれるNPO法人もあります。お金がかかるサービスを利用することも考えてもよいでしょう。

 自分が頼まれた時は、自分ができることならば手伝いましょう。自分が助けてもらっても相手を助けても温かい気持ちになります。あなたに笑顔が増えていくことは周りの人も
笑顔にします。
自分も相手も大切に認め合うことはお互いに気持ちのよい生活の基本です。

4.受援力を育てるために

「上手に助けられる」や「上手にお願いする、頼る」力をつけるにはどうしたらよいでしょう。

○日々の生活の中で、身近な相手への信頼、ねぎらいの気持ちを伝えましょう。頼られ、感謝されることは嬉しいものです。
例えば、家族・友人・ご近所・同僚に
 ・その場ですぐ「ありがとう・助かった」と伝える。
 ・具体的に「~してもらって助かった」と褒める。
 ・人のいるところで褒める。
 ・人が褒めていたことを伝える。
などを心がけましょう。
 
〇日頃から小さいことでも困ったことがあったら相談しましょう。急に自分の言動を変えることは難しいものです。
 小さなことから「お願いします」「助けてください」と「ありがとう」「助かります」を積み重ねるとよいですね。
 
 自分を大切にして相手を尊重し上手に「助けて」と言える社会は、だれにとっても穏やかで優しい社会だと考えます。「自分だけが辛いのではない」と我慢するのではなく、「自分は辛い。自分には助けてもらう価値がある」と行動しましょう。役に立ちたい、誰かのために働きたいと思っている人が近くにいるかもしれませんよ。

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